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学習療法の進め方

学習療法はコミュニケーションを取りながら進めます。

【学習の進め方】

学習者と学習支援者がコミュニケーションをとりながら学習するのが学習療法です。学習療法では、一人の学習支援者が同時に二人の学習者の支援を行います(症状の重い方などには1対1で支援することもあります)。

【学習内容】

弊社が開発した「読み書き」と「計算」の教材を学習していただきます。

学習療法システムでは、「すうじ盤」の学習もしていただきます。この学習でも前頭前野を中心に脳が活性化することが判明しています。すうじ盤には30と50と100の3種類があり、認知症の改善を目的とする学習療法では、学習者の認知症の状況に合わせて、主に30と50を使用します。

一人ひとりがラクに学習できる教材を決めるために、学習療法では学習に先立ってまずFAB、MMSEの検査をお受けいただき、認知症の程度を把握します。次に、読み書き・計算のレベルを診断する検査もいたします。認知症の程度と読み書き・計算のレベルの二つの要素から、その方にあった「ちょうど」の教材を見つけます。

【学習日数、時間】

薬や運動と同様、できるだけ毎日続けることが大切です。少なくとも週3日以上、支援者や学習者同士のコミュニケーションを含め、1日20分程度の学習をします。通所施設等のご利用者で通所日だけでは学習日が不足する場合は、家庭での学習で補います。

【学習の流れ】

標準的な1日の学習の進め方は以下の通りです。「読み書き」と「計算」の学習をしますが、どちらを先に学習してもかまいません。
学習者2人:支援者1人の学習が基本ですが、認知症症状の重い方などの場合は1:1で学習します。

①入室・始めの挨拶
明るく笑顔で迎えます。敬意を持って対応します。「おじいちゃん」「おばあちゃん」などの呼びかけはいけません。
②名前・日付・開始時刻の記入
生活感覚(見当識)を高めるため、各教科の1枚目の教材に名前・日付・開始時刻を書きます。自力で書けない場合は支援者が手助けします。
③学習する(読み書き・計算・すうじ盤)
1教科につき5分〜10分を目安にします。当日の体調や状態によっても無理がないように量を調整します。
④終了時刻の記入
開始時刻を記入した1枚目の教材に学習を終了した時刻を記入します。これを記入することで適切な学習時間を心がけます。
⑤採点する(大きな○と100点)
表・裏ともに大きな○をつけ、表には「100」を大きく書きます。間違いのあったときは×はつけず、見直してもらってから○をつけます。
⑥学習結果の記録
学習状態を点検して、今後の進め方を調整するための資料になるとともに、複数の学習支援者が学習者の状態を共有することができます。
⑦学習結果のフィードバック
学習中や学習後にその日の結果を伝えて認め、誉めることでコミュニケーションを取ります。高齢者の満足感、学習意欲を高めます。
⑧学習後のコミュニケーション
学習後に学習した教材の題材などを使って楽しくコミュニケーションをすることが学習療法の効果をさらに高めます。
⑨終わりの挨拶・退室
「お疲れさまでした」のことばがけとともに、学習の感想を聞き、コミュニケーションを深めるとともに、次回への意欲をもってもらうようにします。
【標準的な運営体制】

午後2時から4時までの2時間に、学習療法スタッフ2名で12名の学習者をサポートする場合の例です。

学習者は、2人1組となって学習します。(学習者2人につき学習療法スタッフ1人の体制が基本です)学習療法スタッフは、学習者2人と対面してすわり、2人の学習を同時に支援します。1回の学習時間は、コミュニケーションとあわせて20分程度になります。

【学習療法センターの教材は】

脳科学理論に基づく学習療法の実践研究の成果と、公文式の長年の教材づくりの経験から生まれた教材で、次のような特色があります。

■教材の構成
  • ①読み書き教材
  • ②計算教材
    • それぞれA・B・Cの3ステップ、各ステップが6教材で構成
    • 1教材(1ヵ月分)は60枚(120ページ)
    • 標準的な学習枚数は1回につき各3枚
    • 読み書き・計算とも1080枚の中から一人ひとりにあったものを学習します。
■教材の特長
  • ①一人ひとりが楽しく学習できる教材です
    • たくさんの教材の中から、どなたにもスラスラと楽しくできるレベルの教材を選んで学習します。
    • 比較的重い認知症の方から、健常な高齢者まで楽しく学習できるように工夫されています。
  • ②高齢者が学習しやすい教材です
    • 高齢者の視力を考慮して、読みやすい大きな活字を用い、イラストは具象的なものを使用しています。
    • 学習が楽しくなるように、「読み書き教材」では高齢者に喜ばれる題材を選んでいます。
    • ③学習支援者にも使いやすい教材です
    • その都度説明しなくても、ほとんどの学習者が自力で学習できるわかりやすい課題と設問です。
    • 学習支援者と学習者との会話がはずみやすいように題材やイラストを選んでいます。
    • 教材を番号順に学習するので、学習計画が立てやすくなっています。