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歴史と広がり

学習療法の歴史と広がりについて

年月 出来事
2001年9月 福岡県大川市の社会福祉法人道海永寿会を研究フィールドに、産官学による第一期共同研究がスタート
2003年6月 宮城県仙台市の医療法人松田会で第二期共同研究スタート
2003年10月 宮城県仙台市で健康な高齢者を対象とした「脳ウェルネスプロジェクト」スタート。脳の健康教室のさきがけとなる。
2004年7月 くもん学習療法センター設立。学習療法と脳の健康教室の本格的普及スタート。
2007年2月 NHKスペシャル「脳を鍛えて人生を再び」放送。学習療法が大きな話題となる。
2011年5月 海外初の学習療法実証研究がアメリカ合衆国クリーブランドの高齢者介護施設エライザ・ジェニングスでスタート。
2013年4月 米国での学習療法実証研究を記録したドキュメンタリー映画『僕がジョンと呼ばれるまで』(仙台放送)がアメリカンドキュメンタリー映画祭で最優秀観客賞を受賞。
2015年7月 経済産業省に採択された「国家課題」SIB(ソーシャル・インパクト・ボンド)調査事業スタート
2015年11月 学習療法センター主催による「第1回学習療法実践研究シンポジウム」を開催
2016年3月 学習療法と脳の健康教室が、厚生労働省・農林水産省・経済産業省が三省連名で策定した自治体向け「保険外サービス活用ガイドブック』で紹介される。
2016年4月 新資格制度がスタート(学習療法実践士・学習療法マスター資格制度)
2016年7月 初の学習療法パートナー研修会を東京で開催
2018年4月 奈良県天理市で認知症予防の「成果連動型支払事業」が目標を達成したことを天理市、慶應義塾大学、KUMONが記者発表会で報告。

【学習療法 導入施設数と学習者数】(2018年3月現在)

導入施設数
1,419施設
学習者数
10,202名

【脳の健康教室 開講会場数と学習者数】(2018年3月現在)

開講会場数
204会場
学習者数
2,677名

第1期 学習療法実践研究

福岡県大川市/社会福祉法人・道海永寿会

2001年9月、東北大学・川島隆太教授をリーダーとする共同研究チームによって、社会福祉法人道海永寿会で初めての学習療法の実践研究がスタートしました。この研究は公文も参加し、独立行政法人・日本科学技術振興機構の助成を受けた産・官・学の共同プロジェクトとして実施されました。

「読み書き」「計算」学習の効果を測定するために、認知症高齢者を学習群と非学習群(学習をしない群)に分け、学習開始前および6ヵ月後にFABとMMSEを実施して両者を比較しました。図1と図2がその結果で、明らかに高齢者の脳機能が改善されていることが分かります。

検査の数値の向上にとどまらず、まったく無表情の方に笑顔が見られるようになったことやおむつに頼っていた方に尿意や便意が戻ってきたという日常生活での変化も認められました。

第2期 学習療法実践研究

宮城県仙台市/医療法人・松田会

2003年6月、道海永寿会での成果を踏まえ、医療法人松田会エバーグリーン病院で学習療法の実践研究が始まりました。この研究は宮城県仙台市と東北大学との「『学都』共同研究プロジェクト」のひとつとして行われ、図3、図4のような結果が得られました。

この研究でもFABとMMSEは学習群と非学習群との間に大きな差が認められましたが、学習群の中の3割の方々のおむつが取れ、着替えが自分でできるようになったという日常生活面での変化が見られました。

特筆すべきは、エピソード記憶という「昨日は本屋に行って雑誌を買った」などという時間や空間を特定して思い出せる個人的な出来事の記憶が戻る傾向が見られたということです。道海永寿会と松田会での研究で、学習療法によって認知症の症状の維持・改善が期待できることがわかったのです。

アメリカでの実証実験でも大きな成果!

2011年から12年にかけてオハイオ州クリーブランドの高齢者介護施設エライザジェニングスで、東北大学の川島隆太教授を中心としたプロジェクトチームが「学習療法の実証実験」を実施しました。結果は前頭前野機能/認知機能(FAB/MMSE)ともに日本での実証実験を上回る成果が得られ、「笑顔が増えた」「身の周りのことをし始めた」「家族と話ができた」「職員の名前を憶えられた」など学習者のほぼ全員に感動的な変化が現れ、さらに介護職員の意欲向上やケアレベルの向上にも大きな効果が出ています。この成果はアメリカ国内でも認められ、2012年8月に全米に広がる介護法人団体Leading Ageのオハイオ州大会で「イノベーションアワード」を獲得し、10月に全米大会でも発表されました。