ホーム > 学習療法のお話 > 歴史と広がり

歴史と広がり

学習療法の歴史と広がりについて

国内の普及実績の歴史と広がり(数字は毎年10月度)

【学習療法10年史】年数をクリックしてください。

  • 2001年〜2005年
  • 2006年〜2010年
  • 2011年〜2015年
  • 2001年9月福岡県大川市の社会福祉法人道海永寿会を研究フィールドに、産官学による第一期共同研究がスタート
    2002年12月国立京都国際会館で第1回学習療法国際シンポジウム開催
    2003年6月宮城県仙台市の医療法人松田会で第二期共同研究スタート
    10月宮城県仙台市で健康な高齢者を対象とした「脳ウェルネスプロジェクト」スタート
    脳の健康教室のさきがけとなる。
    11月『脳を鍛える大人のドリル』シリーズ(くもん出版)発売、脳トレブームを巻き起こす
    2004年1月『痴呆に挑む』(川島隆太・山崎律美:くもん出版)刊行
    国立京都国際会館で第2回学習療法国際シンポジウム開催
    4月川島隆太教授を会長とする「学習療法研究会」発足
    7月㈱くもん学習療法センター設立 学習療法の本格的普及スタート
    東京都品川区で「いきいき脳の健康教室」、岐阜県大垣市で「脳の健康道場」スタート
    10月大阪市で第1回学習療法士認定研修会開催
    2005年3月米国老年学会誌(Journal of Gerontology)に、川島教授らの学習療法研究論文が掲載
    4月大阪市で第1回全国学習療法研究大会開催
    7月『脳を鍛える学習療法ドリル』全6冊(くもん出版)発売
    11月NHK教育テレビ 
    ETV特集「心はどこにあるのか?~脳科学者・川島隆太の挑戦~」放送
  • 2006年1月『くもん学習療法だより』創刊
    2007年2月NHKスペシャル「脳を鍛えて人生を再び」放送 学習療法が大きな話題となる
    3月『学習療法の秘密 認知症に挑む』(くもん学習療法センター・山崎律美:くもん出版)刊行
    9月くもん学習療法、くもん脳の健康教室の学習者総数が1万名を超える
    2008年5月愛知県名古屋市で初の「実践事例発表会」開催。その後の地域ネットワークの端緒として、この年全国8ヵ所で地域の実践事例発表会が開催される。
    10月くもん学習療法の学習者数が1万名を超える
    2009年1月愛媛県松山市で第1回愛媛県学習療法導入施設新年地区会開催。全国の地域ネットワーク活動のモデルとなる「愛媛学習療法研究会」の誕生につながる
    6月くもん学習療法導入事業所数が1000を超える
    7月川島教授、くもん学習療法センターが第34回井上春成賞受賞
    2010年4月くもん学習療法育成士制度スタート
    7月北海道札幌市で、北海道の地域ネットワーク「北海道学習療法研究会」発足
    10月大阪・東京で「第1回全国育成士&経営者・管理者のつどい」開催
  • 2011年5月海外初の学習療法実証研究がアメリカ合衆国クリーブランドの
    高齢者介護施設エライザ・ジェニングスでスタート
    9月宮城県仙台市の東北大学加齢医学研究所内で「SAC脳いきいき学部」が東北大学との
    共同研究事業として開講。認知症予防だけではない新しい脳の健康教室を提言していく
    2012年1月兵庫県神戸市の神戸国際展示場で学習療法誕生10周年記念となる
    「学習療法シンポジウムin神戸」(第7回全国学習療法研究大会)開催
    5月学習療法シンポジウムin横浜を開催(第8回全国学習療法研究大会)  
    6月日米でアメリカでの学習療法のトライアル成果を発表 
    2013年4月アメリカドキュメンタリ映画祭で「僕がジョンと呼ばれるまで」(仙台放送制作)最優秀観客賞を受賞
    5月学習療法シンポジウムin仙台を開催(第9回全国学習療法研究大会)
    2014年3月「僕がジョンと呼ばれるまで」が全国各地で一般公開が始まる
    5月学習療法シンポジウムin福岡を開催(第10回全国学習療法研究大会)
    2015年3月アメリカでの学習療法導入施設は6州で14施設となる

【学習療法導入数と学習者数】

【脳の健康教室の会場数と学習者数】

第1期 学習療法実践研究

福岡県大川市/社会福祉法人・道海永寿会

2001年9月、東北大学・川島隆太教授をリーダーとする共同研究チームによって、社会福祉法人道海永寿会で初めての学習療法の実践研究がスタートしました。この研究は公文も参加し、独立行政法人・日本科学技術振興機構の助成を受けた産・官・学の共同プロジェクトとして実施されました。

「読み書き」「計算」学習の効果を測定するために、認知症高齢者を学習群と非学習群(学習をしない群)に分け、学習開始前および6ヵ月後にFABとMMSEを実施して両者を比較しました。図1と図2がその結果で、明らかに高齢者の脳機能が改善されていることが分かります。

検査の数値の向上にとどまらず、まったく無表情の方に笑顔が見られるようになったことやおむつに頼っていた方に尿意や便意が戻ってきたという日常生活での変化も認められました。

第2期 学習療法実践研究

宮城県仙台市/医療法人・松田会

2003年6月、道海永寿会での成果を踏まえ、医療法人松田会エバーグリーン病院で学習療法の実践研究が始まりました。この研究は宮城県仙台市と東北大学との「『学都』共同研究プロジェクト」のひとつとして行われ、図3、図4のような結果が得られました。

この研究でもFABとMMSEは学習群と非学習群との間に大きな差が認められましたが、学習群の中の3割の方々のおむつが取れ、着替えが自分でできるようになったという日常生活面での変化が見られました。

特筆すべきは、エピソード記憶という「昨日は本屋に行って雑誌を買った」などという時間や空間を特定して思い出せる個人的な出来事の記憶が戻る傾向が見られたということです。道海永寿会と松田会での研究で、学習療法によって認知症の症状の維持・改善が期待できることがわかったのです。

海外発! アメリカでの実証実験でも大きな成果!

2011年から12年にかけてオハイオ州クリーブランドの高齢者介護施設エライザジェニングスで、東北大学の川島隆太教授を中心としたプロジェクトチームが「学習療法の実証実験」を実施しました。結果は前頭前野機能/認知機能(FAB/MMSE)ともに日本での実証実験を上回る成果が得られ、「笑顔が増えた」「身の周りのことをし始めた」「家族と話ができた」「職員の名前を憶えられた」など学習者のほぼ全員に感動的な変化が現れ、さらに介護職員の意欲向上やケアレベルの向上にも大きな効果が出ています。この成果はアメリカ国内でも認められ、2012年8月に全米に広がる介護法人団体Leading Ageのオハイオ州大会で「イノベーションアワード」を獲得し、10月に全米大会でも発表されました。その他にも現在、フィンランド、イギリス、シンガポール、イタリアなど多くの国々から関心が寄せられ、学習療法の成果は国境や言語・文化の壁を越えて広がっていこうとしています。