グラフで見る「脳の健康教室」の効果
■宮城県仙台市/脳ウェルネスプロジェクト
仙台市と東北大学との「『学都』共同研究プロジェクト」の一環として、健常な高齢者を対象とする「脳ウェルネスプロジェクト」が2003年10月にスタートしました。
このプロジェクトでは、初めの6ヵ月間、読み書き、計算の学習をして、その後の6ヵ月間は学習をしないグループ(A群)と、初めの6ヵ月間は学習をせず、その後の6ヵ月間は学習をするグループ(B群)とに分けて、それぞれにFAB、MMSEの変化を経過観察するという手法をとりました。
この結果が下の図です。それぞれのグループともに、学習をしている期間のFABは目に見えて上昇しています。またMMSEについては、学習しない期間は下がっていますが、学習期間は現状維持かやや上がっています。
明らかに学習によって高齢者の脳機能が改善されていることが分かります。


■岐阜県大垣市/脳の健康道場
下の図は、2004年7月にスタートした岐阜県大垣市の「脳の健康道場」で得られた結果です。軽度認知障害(MCI)または認知症の疑いのある方々に6ヵ月間の学習の前後にMMSEをしていただき、その変化を比較したデータです。20名のうち18名の方々が6ヵ月後には正常値の範囲に戻るという成果が出ました。

■ある自治体のご協力を得てグラフにしました



■脳の健康を保つために
「脳を鍛える3つの生活原則」

■受講者の声

40年間お茶を教えてきましたが、最近はお仕履(茶道の道具を入れる袋)の紐の結び方も忘れてしまっていました。ところが教室に通い始めてからしばらくたって、突然思い出したんです。やはり学習の効果はあるのだな、と感じたできごとでした。

以前は一度には覚えられなかった電話番号が学習を始めてからすっと頭に入っていくんですね。お店でお買い物をしてもレジよりも早く計算できるようになって店員さんから驚かれました。

この教室に参加させていただいて毎日の生活にメリハリがつくようになったと思います。お仲間の方やサポーターの皆様にお会いするのがとても楽しみです。

宿題は家内に読み聞かせをしています。家内は内容を聞いて大変勉強になると言っている。こんなことから(夫婦)の話題ができて、ふたりの会話も多くなり、家庭が明るくなった。マンション内では積極的に(住民と)コミュニケーションをとるようになり、挨拶しています。ものごとに積極的に取り組むようになったことが一番です。

週1回の通学をしているうちに、今までのメリハリのない生活からリズムが生まれました。また、地域においても積極的な行動ができるようになりました。町内会や老人会、交通安全協会の役員も引き受けることになり、ますます忙しい日々となっております。老人会では旅行や一日研修の企画を立ててみたり、この短い5ヵ月間ではありましたが、ものごとに対して積極的に取り組む姿勢がよみがえってきたように思います。